●終りなき時の物語についての個人的解釈● *********************************************************************************************** ここでは、OVA『終わりなき時の物語』で語られた救世主の伝説、そしてそれによって生じた疑問に対する、 私の個人的な解釈を書き連ねてみました。 自分の中でもやもやしたものを、文章にして整理してみたもの・・・とでもいいましょうか。 決して公式のものではありませんからね! こんなこと考えてる人もいるんだ〜ってことで、興味のある方はどうぞご笑覧ください。 ************************************************************************************************ さて、私がまず気になって仕方がなかったのは第一巻・龍神池でおじいさんが語った伝説です。 @「その一族から地上に住む者が生まれ…(中略)… その子孫は、今もどこかにいるはずだが。 」 A「代々最初に生まれた男の子が竜神さまをお守りすることになったのだそうな。 男の子はみな、同じ名前が付けられた。 その名をアダール。 永遠の命、終りなき時という意味だ。 」 …あれ?救世主を生み出す一族(戦部家)って神部界から現生界へ下りた一族じゃなかったっけ? この話と第二巻を総合すると、戦部の祖先って天部界の出身ってことにならないか!? それに伝説の救世主の名前ってみんな『ワタル』なんじゃないの!?なんで『アダール』!? これがむくむくとわいた私の疑問です。 *********************************************************************************************** まずは@について考えてみることにします。 小説『ANOTHER STEP』でトンカラリンさんのセリフをチェックしてみると、 「神々の世界より下界に下った―」と言ってます。 「神々の世界」とは言っているけど「神部界」とは言っていないんですね!この文章書くために見直すまで全然気づいてませんでした(汗) つまり、天部界出身であるとも考えられるわけです。 あ、でもトンカラリンさんよりも前にオババが「戦部家は神部界につらなる名家なのじゃ!」っていってますね。 もしかすると、戦部家の祖先はもともと天部界の龍遣いの一族の出身で、 神部界経由で現生界に下りた、だから、神部界に暮らしていた時期もある…ということではないでしょうか? もっとも、『ANOTHER STEP』と『終りなき〜』では書いている人が違うので、差異があって当然なわけですが、 無理矢理こじつけるとこういう考えもできるんですよ!(失笑) ********************************************************************************************** 次にAの件について。 さて、伝説の救世主の名前は『ワタル』と言われてきたにもかかわらず、なぜ突然『アダール』という名前が出てきたのでしょうか? ここで思い出していただきたいのが、拳龍士(=救世主)の命は天部界で生まれる、という点です。 天部界については、ご存じのとおり小説でもOVAでも、神部界よりもさらに上位の神々の住む世界で 神部界の者は立ち入ることさえ許されない世界と表現されています。 ということは、現生界の人間にとっては天部界の神々なんて雲の上のそのまた上の上くらいの存在になってしまうわけです。 そんな神聖な世界の住人、その中でもかなり特別な存在と言える拳龍士である『アダール』の名前というのは、とても神聖な名前と言えるのではないでしょうか。 神の名前を呼ぶことをタブーとする習慣が現実に存在しますが、それと同じような論理で現生界や神部界(神々の世界ではあっても、天部界より下位の世界であることに変わりはないので)の人々が『アダール』という神聖な名前を気安く口にしてはいけない、としたらどうでしょう。 しかし、天部界で生まれた救世主の命は、拳龍の勾玉を用いて現生界の人間(地上に下った龍遣いの一族の子孫)の子供として生まれてくるわけです。 『アダール』という名は、現生界の人間にとって気安く口に出すことのできない名前。 しかし、自分たちの子供の名前を呼ばずに暮らすことなんてまず不可能です。 @で説明したように戦部家のルーツはもともと天上界にあるとすれば、身内だけで『アダール』と呼ぶのはもしかしたら問題ないかもしれませんが、 現生界で暮らす以上は他の人間から名前を呼ばれずに生きていくなんて、それこそ幽閉でもしない限り無理なわけです。 だから、真の名前・魂の名前である『アダール』はそのままに、普段は別の名前で呼ぶことにした、それが『ワタル』という名前だったんじゃないでしょうか? 余談ですが、現代でも「真の名前は身内の間だけのものとしておいて、家族以外には一生まったく別の名前を名乗って、真の名前を公にすることはしない」 という文化のある地域は存在するそうです。 ちなみに、龍神池にいたおじいさんが『アダール』の名を平気で口に出したのは、自分も拳龍士だから無問題だった…のかもしれません。 おじいさん、結局何者なんでしょうね〜?たぶん過去の救世主の一人だとは思いますが。 もっとも、天上界から下って何世代も経た戦部ワタルの世代においては、 そういう面倒なことは忘れられているのだと思いますが。(え) また、ワタルではないんですが某マンガで「人に自分の名前を知られることは、相手に魂の端をつかまれるようなものだから」 みたいなことを(見直してないんで台詞違うかもしれません;) おっしゃってた方もおりますね。(なんの作品かはわかる人はわかるでしょう!たぶん。) 本当の名前を知られると、いろいろ悪影響がある〜って考え方は呪術に関連して古くからいろいろな地域にあるみたいです。 もしかしたら、それらと同じように『アダール』という真の名前(魂の名前)を万が一魔界の者に知られたら、どんなことをされるかわからない(呪いとかetc...) だから、それを防ぐためにも普段は『ワタル』という通称を名乗って、敵に本当の名前を知られないようにしていた、とも考えられます。 たとえば、『超』第一話でワタルは良き心を奪われて、悪しき心を植え付けられていますが、シバラク先生のゲンコツ一発で正気に戻り、 神部界へ行ったらあっさり記憶も戻っちゃってます(笑) これは、真の名前である『アダール』が魔界側に知られていなかったから、悪しき心の植え付け(呪いの一種みたいなものですよね) が不完全に終わってしまっていたため、と説明できないでしょうか?むろん、救世主だから呪いなんてなんのその!ってのもあるのかもしれませんが。 それに比べ虎王は…(以下省略) あ、虎王は真の名前も別称も何も無く『虎王』だから、あっさり記憶変えられちゃったりするのかもしれませんね! 閑話休題。 さて、そんなこんなで『アダール』という名は隠しておいて、普段は『ワタル』の名を名乗る救世主。 たぶんこれは、伝説における初代救世主も同じだったと思います。 初代救世主も、神部界に現れたとき、『ワタル』という通称で名乗ったはずです。 そのため、神部では「救世主=アダール」ではなく「救世主=ワタル」として伝説が語り継がれることになったのではないでしょうか。 じゃあ、歴代救世主の真の名前(アダール)が同じなのはいいとしても、通称(ワタル)まで同じ名前なのは何故なんだ〜!? という疑問が起きてしまいますが…『アダール』の名前は口に出してはいけないんだけれども、 この子供が救世主なんだ、ということが分からないのもまずいので、通称も同じ名前を付けていた…とか? 目印みたいなものとか… ま、もともと穴だらけな解釈なんで目をつぶってやって下さいませ。 解決しているのかいないのか、どうも釈然としませんが、今回はこの辺で終わらせていただきます。 *********************************************************************************************** あとがき。 ほとんど思いつくままに書いたので、文章も構成もめちゃくちゃで申し訳ありません; まるの流の個人的解釈を、本人が忘れないようにメモしたものとでもお考えください。こんなものを公に出していいものかずいぶん悩みましたが、思い切って出してみました。 自分は『終りなき時の物語』が発表された当初は、残念なことにまだファンではなかったので、発表当初この作品に関して製作者サイドがどのようにコメントしていたかを知らないのです。 もしかしたら、当時のアニメ雑誌なんかには私が疑問に思っていることについての答えとなるような記事もあったのかもしれませんし、やっぱり無かったのかもしれない。 もしも、「昔、スタッフの方がこんなこと言ってたよ〜」っての知っている方がいらっしゃったら、ぜひぜひ教えてほしいです! 08/08/04 |